* 社内ブログ * 看板

ご覧いただきありがとうございます。

GW終わってしまいました。。。
始まる前は長いような気がしていましたが
あっという間に終わってしまいました。

今回は看板について調べてみました!


看板とは...
商品広告方法の一種で、商品、職業や家名を、文字、絵画あるいはその模型などに表し、店頭、軒先、柱、屋根上に掲げて標識としたもの。東西ともに古くからあり、最初は商品をそのまま示して看板にしていたが、しだいに文字や絵を使って趣向を凝らしたものになった。

 看板の起源は平安時代初期の『令義解(りょうのぎげ)』に「肆廛(みせ)に榜標(ぼうひょう)を立て行名(こうめい)を題せよ」とあるように、法令で決められ、都の東西の市(いち)に立てたものであった。しかしながら『一遍上人絵伝(いっぺんしょうにんえでん)』に描かれた備前(びぜん)福岡の市には、それらしきものはみられず、商品だけが並べられている。これは鎌倉時代の絵巻物に描かれた市のありさまであるが、文献的には室町時代の末期から屋号とともに標識、つまり看板がみられる。次の安土(あづち)桃山時代に入ると、のれんとともに店先に掲げられた小さな絵看板が『洛中洛外図屏風(らくちゅうらくがいずびょうぶ)』や埼玉県川越(かわごえ)市喜多院所蔵の『職人尽絵』のなかにみられる。いろいろの看板が盛んに行われるようになったのは江戸時代に入ってからで、商業が発達し、各店舗がそれぞれ自家の商品を認識させ購買意欲を誘い合い、競争が激しくなったためである。最初は小さな入り山形をしたものであったが、しだいに大形化し、これに加えて遠方からでも展望できるように、屋根の上へ掲げることが流行していった。元禄(げんろく)時代(1688~1704)以前は小さなものが多く、享保(きょうほう)(1716~36)以降になると大形化してゆく傾向がみられる。風雨にあっても腐らないケヤキの分厚いものを用いたり、スギ板に黒漆を塗ってそれに金銀箔(はく)を押したり、蒔絵(まきえ)を施したり、銅、鉄を利用して金属製の看板もつくられた。また店舗の主人の趣味を生かした、小ぶりで芸術的な作品がつくられることもあった。江戸末期になると胃腸薬の看板「ウルユス」(空の分解字)が現れた。これはオランダ舶来の薬ULUUSの和名で、これを飲むと胸がスーッとする、つまり「空(から)」になるという洒落(しゃれ)である。

 江戸時代に盛行した看板を大別してみると、次の7種類に分類される。

(1)実物看板 多く店頭に掲げて販売品を知らせたもの。麻(麻苧(まお))屋、笠(かさ)・傘屋、かもじ屋、金箔屋、合羽(かっぱ)屋、絵の具屋。

(2)模造看板 商品が小さいときに拡大して認識させる。きせる屋、袋物屋、櫛(くし)・笄(こうがい)屋、足袋(たび)屋、下駄屋、そろばん屋、扇屋、金物道具屋、帳面屋、煙草(たばこ)屋、将棋(しょうぎ)屋、八百屋。

(3)商品と関係ある物 水物、粉物などの類。酒屋、油屋、酢屋、葉茶屋(お茶の葉を売る店)などはその容器。生薬(きぐすり)屋、砂糖屋は袋物。銭両替(ぜにりょうがえ)屋は寛永通宝(かんえいつうほう)あるいは天保銭(てんぽうせん)など貨幣。質屋は質札の反故(ほご)。

(4)判じ物 櫛屋の九四(くし)あるいは十九四(とくし)(すき櫛)の十三屋、二十三屋。焼きいも屋の九里四里(くりより)うまい十三里、その味は栗(くり)(九里)に近しの八里半。饅頭(まんじゅう)屋の馬の置物(あら甘(うま)し〈駻馬(あらうま)〉)。風呂(ふろ)屋の弓に矢をつがえた実物(湯入る)。甘酒屋の三国一または富士山の絵(ともに一夜でできた意)。

(5)行灯(あんどん)看板 商売は昼間ばかりでなく夜間でも営業する店舗。ろうそく屋、そば・うどん屋、料理茶屋、蒲焼(かばや)き屋、船宿、寄席(よせ)、芝居茶屋。

(6)幟(のぼり)看板 紅屋、すし屋、氷屋、釣り堀。

(7)文字看板 障子や「のれん」を利用する。髪結い床、米屋、魚屋、居酒屋、一膳飯(いちぜんめし)屋。

 看板は、商業経済の発達につれて同業が増え、当然のことながら座して売ることから、強力なる宣伝によって自家商品を他人に認識させる必要に迫られ、漸次発展多様化し、世人の注目を浴びることとなった。この傾向は欧米文化の流入によって昭和に入ると急速に高まった。ペンキ塗りの大看板がはびこり、さらには看板ではもの足りなくなって、東西屋(おひろめ屋)を利用し、ビラをまいたりした。時代の変化につれ飛行機を利用したり、さらにラジオやテレビを利用して顧客の把握に努めているのが現況で、のれん、看板の時代はしだいに遠のいていく観が強い。

[遠藤 武]

コトバンクより抜粋








			

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